捻挫(ねんざ)は足(脚)に受ける外傷の中では頻度が一番高いと思います。
「公園を散歩していて捻挫をした」
「階段を踏み違えて捻挫をした」
「わずか10センチ程度の段差を踏み違えて捻挫をした」
「自転車の横転で捻挫をした」
等々その原因は様々ですね。
そのねんざの中でも特に笑えない悲劇に分類されるものと言えば、日頃の運動不足を解消しようと参加した草野球や、ママさんバレーでの捻挫でしょう。
せっかく運動不足を解消しようと思って参加したスポーツなのに、そこで怪我したら運動不足の解消どころか、草野球やママさんバレーに再び参加ができるようになるまでには“最低2週間”から、重い時は“1か月以上”もかかることになります。
更にねん挫した時点で初期の応急手当を間違えると更に長期化することもあります。
もしも運動やスポーツ中に足首をねんざしてしまった時、余計に悪化させないためにはどうすればいいか。
ここでは初期の応急処置を間違わないための判断基準を書きます。
ねん挫の症状がひどい場合はクリニックに行きましょう!
捻挫の程度によっては専門医の診断が必要な場合があります。(その目的は主に骨折の有無をレントゲンで診断するためです)
なので、ねんざによる痛みが我慢できないほどひどい場合は素直に病院に行って、レントゲンなど撮ってもらっいます。
- 特に次のような捻挫の状態は専門医を受診してください。
1)傷みが酷く、捻挫をした現場で急激に腫れてくる。
2)足(脚)首が変形している
3)足(脚)首がグラグラして不安定になっている。
以上をまとめると「痛み」、「腫れ」、「内出血が酷くて足(脚)」を動かせない。
捻挫をした足(脚)に体重をかけられない。足がしびれる(骨折の疑いが濃厚)となります。
捻挫の手当(骨折の疑いが無い場合)
幸いにも骨折など重傷でなければ、キチンと手当てをしてしばらくの期間足を動かさないなどしてケアしてあげる事です。
捻挫の初期の手当てはどうしたらいい?
- 用意するもの
二枚重ねのビニール袋、冷蔵庫の氷を適量、塩、茶匙一杯、水適量 (塩は良く冷やすため、氷は氷嚢を患部に当てたとき安定をよくするため) - 手当の具体的方法
1)氷嚢で急激に「冷やす」
踝(クルブシ)周辺の靭帯や筋肉が断裂して毛細血管も切れています。その傷口から内出血をしてズキンズキンという痛みが出ています。また腫れて熱をもってきます。間違っても「温める」ことは厳禁です。2)「冷やす」を止める時期は?
患部のズキンズキンとした痛みが治まると同時に患部とその周辺の体温がほぼ同じになったら冷やすのをやる時です。患部と他の部分を手で触って比較してください。3)してはいけない事
冷やすのを止めてから10日間くらいは「冷やす」ことも「温める」こともしてはいけません。自然のままにしておいて下さい。
以上が初期の応急手当の方法です。
ここで皆さんが疑問に思われるのは何故十日間は自然のままにするのかということだと思います。その理由を次に説明します。
何故「冷やす」ことも「温める」こともしないのか?
十日間位「冷やす」ことも「温める」こともしない理由。
打撲をした時、皮膚内での内出血が止まり黒いシミになります。そしてそれはしばらく時間が経つにつれて正常な肌色になってきます。それは血液とリンパ液の働きで、傷が修復されると同時に老廃物を体外に排泄しくれるからです。
1)血液もリンパ液も体温が「37℃」の時が一番正常に機能します。
2)患部が基礎体温の37℃より大きくずれると正常に機能しません。したがって「冷やす」ことも「温める」こともしないのです。
積極的なケアやストレッチは10日間を過ぎてから!
ねん挫を起こしてから処置をして10日間が過ぎたら、痛みなどある程度症状が治まってきていると思います。そこからは、関節などの機能性をより正常に戻す為に、ストレッチやケアを積極的に行うようにします。
ここではツボ押し療法で機能を回復させる方法をお教えします。
捻挫の経穴(ツボ)とその経穴の押し方は?
イラストを二つ添付しました。捻挫と脹脛(ふくらはぎ)をケアするためのものです。
1)内踝(うちくるぶし)の真下を親指の腹で2ヶ所から3ヶ所、場所を変えて押してみて下さい。
一秒くらい離しては、また3秒間くらい押します。
このやり方で10回位を繰り返して下さい。
2)脹脛(ふくらはぎ)全体をやさしく揉み解して下さい。
最後に注意しなければいけない事ですが、捻挫が完全に癒えるまではお酒などのアルコール類は少し控えて下さい。
アルコールの作用で傷を癒すのに必要なビタミン類が失われます。
それによって捻挫の回復が遅れてしまいます。