近未来的な外観が特徴であるという事と、一度に最大1200人を乗せることができることをセールスポイントとして発表された中国の一大プロジェクトである「超・大型バス」を街中に運行させるというニュースで世間を賑わせましたが、
紹介動画やイメージ写真を見る限り「こんなの設計するの絶対無理だろう!」、とか「こんな特徴的な路線バス街中で走らられるの?」と、空想上の設計だと思っていたんですが、何と本当に実現させてしまいました!
正直なところ、設計段階で無理だと思っていたんですが中国の技術者が本当に作ってしまったんです。
ですが、そこは中国。見た目はイメージ通りのスタイリッシュで近未来的な大型バスに仕上がりましたが、向こうの道路事情はどうなのかとか、そもそも大型バスの安全性はどうなのかとか案の定疑問の声が多数出ているみたいですね。
ここではそんな所に焦点を当ててみたいと思います。
見た目は未来的だが安全性は?
この奇抜なデザインの大型バスは乗客を一度に「1200人」も乗せて走ることができるそうです。この輸送力はもちろん日本の“連結バス”や海外の大型バスに比べても圧倒的に多く、輸送力は世界最大です。
そもそもなんでこんなバカでかい大型バスを作ろうと思ったのか。その答えは、中国の人口の多さと、「自国でもこれだけ技術力があるんだ!」、「他国のパクリ文化だけがメインではないんだぞ!」とアピールする狙いもあったりします。
しかしこれだけデカいと、都市近郊や中心街の幅の広い道路にしか対応出来ないんじゃないかと思ったり、中国は都市部よりも地方のあまり整備の行き届いていない道路の方が圧倒的に多い印象があります。
なのでこれが正式に採用されたとしても、道路が整備された中心都市近辺に限られるんじゃないかと勝手に思ってしまいます。
しかしこれが本当に採用されたとしたら、中国の人たちが日本のようにキッチリと交通ルールを守らないと、結構危ない目に遭ってしまうんじゃないかと感じます。
なぜなら、この大型バスは日本の“路面電車”のような走り方で道路をまたがって走ったり、交差点を横切ったりして走るタイプになるからです。
しかもこの大型バスは、ボディーはバカでかいのにトンネルの高さが異様に低い「縦:2.1m」ので、トラックは当然大型バスの下を潜ることはできません。もちろん普通の市営バスも大型バスの下を通れません!
高さ制限が“2.1m”とかなり厳しいので、「ちょっと大きいけど、この車も普通の車と同じ大きさだから、多分通れるだろう」と勘違いしてしまう人が絶対出てくると思います。
間違えて車高の高い“ハイエースワゴン”や“キャンピングカー”なんかで走ったりしようものなら、たちまちそこら中を巻き込む程の大事故に繋がってしまいます。
写真や映像を見ると、車輪は回転するように作られていて、当然道路に沿って曲がることも出来るみたいですが、今のところ技術的な問題で曲がったりできるかどうかは不明だそうです。なんじゃそりゃ(笑)
「どうすんのこれ?」って感じですけど…でもまあ、今は試験の段階なので当然道路に沿って曲がるように出来ないと作った意味がないですよね。
あとこの大型バスが道路では実際どのぐらいのスピードで走ってくるのかの気になります。車より速かったらちょっと恐怖を感じるかもしれませんね。
中国の大型バスに対する疑問点
ここでは、中国の大型バスに対する疑問点をいくつかピックアップしたいと思います。
- バス下トンネル内での衝突事故が多発すす可能性の問題
- 下を走る車が側面にはみ出さないを前提に走る必要がある
- 大型トラックやハイエースなど高さがない車は道路を走れない
- 下を走る車は上下左右の圧迫感があるので事故を誘発する恐れがある
- 車のドアを開けた瞬間、後ろからバスが来たらどうなる?
- こんなデカいのが道路や交差点のど真ん中で故障して止まったら大渋滞
- 信号や交通ルールを守らない歩行者や車の対策が完璧にできるのか?
- そもそも構想から実現までの時間があまりにも短すぎなので、現在の中国の交通事情から考えたらあり得ない
ざっと上げても、取りあえずこんなところでしょうか。細かいところを言えばもっと出てくるんですけどねw
日本じゃこんな構想はあり得ないので、夢があっても実現はしませんが、でも中国はいったん構想を始めたら実現までしてしまう行動力は評価に値するかもしれませんね(笑)
今回のまとめ
本当に都市型にマッチした交通ルールがあれば、このような特殊な大型バスも運行可能でしょうけど、現在の交通事情と中国の国民性から察すると、この構想を実現するにはまだまだ時期尚早じゃないかと思ったりしています。
車や歩行者との安全性をどうするかも考えないといけないし、第一この車両自体の安全性はどうなのかといったことも気がかりですね。
でもこのような、中国独自に開発した製品はこっちから見ていて時に奇抜なものを出すことがたまにあるので楽しく見させてもらってます(笑)
もしこれが実現したら観光の目玉となるかもしれませんね!