朝、目覚めて首を動かしたら激痛が走って、思うように動かせない状態になった事があると思います。
その状態を「寝違い」といいますが、多くの人が首のつらい痛みを経験されていると思います。
今回は、意外と知られていない寝違いの原因とその対処法をとりあげてみましょう。
もくじ
寝違いはどんな時に起こる?
特に思い当たる理由はないのに、なぜ突然ひどい痛みに悩まされるのかと不思議に思ったことはありませんか?
会社での重要な会議の時、寝違いの痛みに悩まされミスばかりして上司に叱られた記憶は忘れないものです。
でも前日に草野球に誘われて疲れ切って寝床についたことや、その疲れを取ろうとして、ついつい深酒をしてソファーでうたた寝をしたことなどは案外忘れているものです。
ここで「身体の疲れ」や「深酒をした」ことや、「ソファーでうたた寝をした」ことと、「寝違い」の因果関係について考えてみましょう。
キーワードは「寝返り」です。
人はなぜ寝返りをするのか
寝違いの原因を理解するために、まず人が寝返りをする理由を考えてみます。
人は同じ姿勢で寝ていると、体重によって圧迫された身体の一部分が血行不良になります。
それを和らげるために、姿勢を変える動作が「寝返り」なんです。
では眠っている状態でなぜ寝返りができるのか。次のそのことを考えてみましょう。
眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類がある
- 身体は深く眠っているが、脳は働いている状態を「レム睡眠」といいます。
レム睡眠の時、脳は身体のあちこちに修復命令を出します。
- 身体も脳も深い眠りの状態を「ノンレム睡眠」といいます。
ノンレム睡眠の時は脳は身体の修復命令を出しません。
生命維持する部分以外のほとんどが休んでいます。
人は誰でも通常では「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を“90分”毎に繰り返しながら眠っているといわれています。
この脳波が切り替わる時に人は無意識のうちに「寝返り」をするといわれています。
ひどい疲れや深酒と寝違いの関係
ひどい疲れや深酒の状態で眠りにつくと、睡眠状態が「ノンレム睡眠」のままになります。
脳が完全に休息状態なので、身体に修復命令を出しません。
それに加えて寝酒などをすると内臓に重い負担が掛かることになるんです。内臓に負担が掛かるとそれを処理しようとしてフル回転すると、次第に内臓が疲れてきます。
内臓、特に肝臓が疲れると、それ関係性の強い筋肉が強張って縮んでしまいます。
この筋肉というのが背中から肩甲骨にかけての筋肉なので、首周りにも影響を与えてしまいます。
この状態で脳みそも完全に寝ているので「寝返り」が出来ない。それに筋肉もずっと緊張し、強張って縮んでいるので次第に筋肉痛にもなってきますよね。
だから、ひどく疲れた上に寝酒が過ぎてソファーでうたた寝をすれば、“寝違い”を起こすのは当然のことなのです。
次は寝違いを治す方法を紹介します。
寝違いの痛みを治す方法
準備するもの:フェイスタオル2枚(それぞれ固く巻いておきます)
- 薄い布団かカーペットの上に上向きに寝てください。
この時にアゴを引いた状態になっているか、アゴを上げた状態になっているかを確認します。
アゴを引いた状態なら首は前に倒れ気味です。
アゴを上げた状態なら首は後ろに倒れ気味です。
- 準備したタオルを一本、喉のくびれに当て顎で挟んで下さい。
残りの一本は腰の下に入れますがベルトと平行になるように入れてください。
- (1)で確認した時にアゴをひいた状態になっている場合はタオルを挟んだまま、アゴをひく動作を3回します。
アゴを上げる動作を1回します。これを「1セット」とします。
アゴを上げた状態になっていた場合は、アゴを上げる動作を3回します。
アゴをひく動作を1回します。これを1セットとします。
この動作を「5~10セット」繰り返しましょう。
- 今度は顔を左右に倒してみて下さい。
顔を倒しやすい方に3回、倒しにくい方に1回倒します。これを「1セット」とします。
この動作を「5~10セット」繰り返します。
倒しやすい方の回数を多くします。
逆にすると治りにくくなりますので気を付けてください。
この手順をよく覚えて下さいね。
- 次にアグラをかいて座ってください。
お尻の後ろ半分に座布団を二つ折りにして敷きます。
左右の首筋をやさしく揉みます。
次に、手は頭に乗せて左右の脇の下を交互にやさしく揉みます。
これはリンパ液の流れを良くしてアゴの疲れを取り除くためです。
以上が「寝違い」からくる痛みの解消方法の手順でした。
この方法をやれば首の痛みが取れることと思います。筋肉の痛みもあるので、完全に解消するには時間がかかりますが、応急のストレッチとしては有効な方法だと思います。