「日常の生活に潜む腰痛の原因」。日本人は世界的に見てもとくに腰痛持ちが多い国だそうですね。その数も全体の90%近くに及ぶとか。
そんな腰痛になりやすいといわれている日本人ですが、仕事で腰を痛めてしまう職業に就いている方は当然だとしても、職業のランク表には家庭の主婦の人は入っていません。
最近は主婦の人も外で働く人が多いので、勤め先の職業に組み込まれているのでしょうか。
針治療や整形外科など、治療現場には主婦の人が意外に多く来院されます。
また意外に思われるでしょうが、ランク表の上位に“無職”の人も入っています。
比較的そこまで腰に負担の少ないと思われる主婦の人になぜ腰痛の人が多いのでしょうか?また無職の人になぜ腰痛の人が多いのでしょうか?
ここでは腰痛の原因の一つである“椅子の座り方”にスポットを当ててみたいと思います。
もくじ
なぜ主婦も、無職の人も腰痛が多い?
主婦の方に腰痛が多いのは意外かもしれませんが、それは働く時の姿勢に主な原因があると考えられます。
特に会社でのデスクワークで正しい姿勢を保っていたとしても、ずっと同じ姿勢で椅子に座りっぱなしとか、または短い時間でも変な姿勢で椅子に座っていると、腰骨のある1か所に集中的に体重の負担が掛かったり、腰の筋肉が疲弊して負荷がかかり腰痛を発症してしまいます。
一方、無職の人に腰痛が多いというのはその原因は単純で、働かなくて家にずっと居続けてほとんど身体を動かさないから、腰周りの筋肉が次第に減っていき、やがて筋力が低下してしまうというのが主な原因だと考えられます。
いずれにしても、適度な運動は腰痛の予防になるのですが、その動く時の動作に細心の注意を払わないと腰痛をひき起こすことになりますね。
椅子の正しい座り方とは
ただ単に椅子に座るという行動でも、正しい座り方をしないと体、特に腰に物凄い負担が掛かってしまいます。
ここでは椅子の正しい座り方と、座った時の姿勢を見ていきます。
- 悪い座り方
家計簿を記帳する時やパソコンを使う時の姿勢。
両肘を机につくと上半身が前に倒れて背中や腰が丸くなります。
頭が前に倒れすぎて首や肩にハリやコリが出来てきます。
右利きの人が右足を左足より前に踏み出していると腰痛の原因になります。
- 良い座り方
両肘を軽く脇に近付けておきます。すると上半身や腰が丸くなりません。
頭も起きてきて首や肩にハリやコリができません。
右利きの人は左足を右足よりも前に踏み出して座ります。
腰は自然と伸びて腰痛になり難くなります。
椅子から立ち上がる時の注意点
長時間座っていると、どうしても腰は後湾化して丸くな猫背になってくるものです。
腰の周辺の筋肉は勿論のこと身体全体の筋肉が緊張を強いられて「適応性短縮」を起こします。
筋肉が環境に合わせて緊張をして固くなり急には緩まなくなる現象です。
この様な時急に立ち上がるとギックリ腰になることがあります。
一度ギックリ腰を発症してしまうと、それが癖になっていつか忘れた頃に、突然に「魔女の一撃」を食らってしまう事になってしまうでしょう。
そのような事にならないように、以下の正しい椅子の座り方を行ってみてください。
- 悪い立ち上がり方
長時間座った状態から、急に立ち上がろうとすると腰に痛みが出ます。
腰骨や腰周りの筋肉を痛めてしまう恐れがあるダメな立ち上がり方です。
- 良い立ち上がり方
立ち上がる前にさらに腰を丸くして5秒から10秒ほどジッとしています。
そして上体を前に倒すような感じで立ち上がります。
この要領は庭の草取りの時にも応用してください。
荷物を持ち上げる時の注意点
次は重たいバッグの移動をしたりする時、そんなに重くなくてもギックリ腰になることがあります。
- 悪い持ち上げ方
荷物と身体の間が離れすぎている。
中腰で前屈みになっている。
両肘を曲げて外に張り出している。
これでは力が入らずに腰の負担が増大してしまいす。
- 良い持ち上げ方
荷物を身体のすぐ近くに寄せます。
腰を深く降ろします。
荷物を持つとき人差し指は遊ばせておきます。
足の親指のつけ根に力を入れます。
荷物を横に動かす時の注意点
特に重たい荷物を横に移動させるときは、身体をねじる動作をさせる事が一番腰の負担が軽くなります。
身体をねじる動きをする時は、ねじる側に重心(体重)をのせることが絶対条件です。
荷物だけ移動しようとすると必ず腰を痛めます。
日常生活の中にも腰痛を起こす原因が沢山潜んでいます。
痛めてしまっては今後の生活さえもままならなくなってしまう恐れがありますので、どのような時も腰には細心の注意を払ってください。
最後に
一度腰を痛めてしまうと、ほとんどの場合はそれが癖になってまた腰を痛めやすくなってしまいます。
なので少しでも腰が痛いなとか、腰周りに違和感があったりした場合は、まず座り方を正して何週間後かに痛みが治まればそれでいいですが、痛みが取れなければクリニックに行って今の状況を診てもらうのが良いかもしれませんね。