みなさんは「適応性短縮」という言葉は聞いたことはありますか?
ほとんどの方は聞いたことのない言葉だと思います。
ですがこの「適応性短縮」という言葉は東洋医学では日常的によく使うんです。
どういう時に使うのかというと、例えば腰痛が疑われる診断の時に「これは適応性短縮です」というように使っています。
この「適応性短縮」という言葉を使う時は、『筋肉が環境に適応して萎縮して硬くなり硬結しているが、ストレッチなどすれば正常な状態に修復できる可能性がある』と診断した時です。
また「ギックリ腰」のことを西洋では「魔女の一撃」ともいいます。
この言葉から受ける印象は、襲われる理由は何一つ無いのに、「いきなり魔女に襲われた」というように例えることが出来ます。
しかしどのような現象にも必ず原因はあります。
運悪くどこかのタイミングで不意に「強烈な魔女の一撃」を食らってしまった方は、その原因が日々の生活習慣に潜んでいて本人は無意識識に過ごしているからです。
ここでは病気の種の潜んでいる原因を検証したのち、予防策を考えてみましょう。
もくじ
日々の生活習慣に潜んでいる原因
では日常生活の中に潜んでいる原因を探ってみましょう。
腰痛になりやすい職業は?
様々なデータがありますが、どのデータでもやはりというか、「デスクワーク」が断然トップにランクされています。
その他としては、タクシーの運転手などドライバーや介護士の方、立ちっぱなし仕事の多い職業全般ですね。
次に年齢別の肉体障害として厚生労働省の「国民生活基礎調査」では、男性では腰痛が一位、女性では肩こりは二位です。
これも職業に関連した症状として見て取れますね。
次にデスクワークの人が腰痛になりやすい原因について見ていきます。
デスクワークの人が腰痛になりやすい原因は?
- 長時間、同じ姿勢でいる。特に大腿筋(ふともも筋)の圧迫。
- 床からの冷気によって、ふくらはぎ(脹脛)の強張り(硬結)が発生する。
特に夏季の空調の冷気による冷えが多い。 - 足を組むと、下肢への血液循環を阻害する。
- 肘を机につくと上半身は“前傾姿勢”になり、腰は猫背のように“後湾化”して丸くなる。
- 運動不足になると太ももとふくらはぎの筋肉は動かさなくなるので、筋肉もやせ細り、それによって血液の循環が阻害される。その結果、低体温症を招く。
腰痛になりやすい原因のキーワードとしては、「長時間同じ姿勢」、「血行不良による低体温症」、「姿勢が原因の腰の後湾化」の三つです。
デスクワークのケースからキーワードを三つ選び出しましたが、今回はこのキーワードの中のから「血行不良による低体温症」の問題を検証してみましょう。
人間は“恒温動物”です。最適な体温は36.6~37.0℃です。この最適な体温を保つために24時間365日寝ている間にも常に自律神経が働いています。
どんな環境に置かれたとしても、体温が一定に保たれることによって健康維持ができ、病気になりにくい体が整えられています。
でも、なんらかの外的環境などで体温が低下してしまうと、身体にとってはよろしくない影響を受けていまう事があります。
次は低体温が体に及ぼす影響について見ていきます。
低体温が身体に及ぼす悪影響とは?
- 最適な体温の36.6℃~37.0℃の枠から体温が1℃でも外れると次のようなことが起きます。
イ)免疫力の低下
ロ)基礎代謝の低下
ハ)体内酵素の活性が大幅に低下
- 「冷えは万病の元」ともいわれ、体が冷えると「肩こり」、「頭痛」、「腰痛」、「腹痛」、「生理痛」、「睡眠障害」、「いくら寝ても疲れが取れない」など様々な“不定愁訴”として起きてきます。
- 風邪などのウイルスに感染すると、通常よりも体温を上げてウイルスを死滅させようとしますが、低体温では内臓の温度が上がりにくく、抵抗力が弱まり、かぜが治りにくくなります。
低体温の原因は、食生活と運動不足の生活習慣の乱れが大いに考えられます。
ここでは運動不足を解消する方法を考えていきます。
運動不足の解消といっても、筋力トレーニングや毎日のランニングなどではなく、負担のないやり方で誰でもできる方法です。
休日の散歩の時に公園の片隅や、家事の合間のちょっとした休憩時間を使って運動不足を解消する方法です。
休憩時間に出来る簡単な基本運動とは?
- 基本の姿勢
目はまっ直ぐの正面をみる。
肩の力は抜いてリラックスする。
足は腰の幅に開いて立ち、両足の足底は水平に伸ばす。
- (1)の姿勢で足踏みをする。
右手を床の面に水平になるように上げ、左の太腿(太もも)も床と水平になるように上げる。
左手を上げる時は右の太腿(太もも)も同じように床と水平になるように上げる。
普段の歩く時よりもかなりオーバーな動作になるがこれがとても効果的です。
ここで注意することとしては、(2)で両方の大腿が上がりづらい人は日常的な運動不足が考えられます。
そういった方は、無理をせずに一回の回数は15回あたりから始めてみるといいでしょう。
体力、運動量の程度の違いなど個人差はありますが、目標は30回位がいいです。
これを習慣化できるように出来るだけ毎日やっていきます。
無理をして最初から頑張り過ぎるのは良くありません。無理をすると逆に故障の原因になりかねません。
この小さな努力の積み重ねがあなたを健康へと導ききます。